新しい概念を取り入れた 保養施設「アスクレピオン」に期待すること
このたび、一般財団法人 個別化医療振興財団により、個別化医療保養施設アスクレピオンが創出されようとしております。 私は現在、ある特別養護老人ホームの嘱託医を担当しておりますが、いわゆる高齢者にとって、老人病院に入院したり、種々のパターンの老人ホームに入所したり、または自宅で独居を余儀なくされているといった状況がますます増えていく現代の日本には、なんともいえない哀愁を感じております。
老人ホームや病院では、風呂に入るのも不自由さを伴いますし、安心して敷地内を自由に出歩くことも許されません。一方、自宅で独り住まいをしている高齢者はと言えば、確かに自由はあるでしょうが、それと引き換えに火災や事故などの致命的リスクが付きものとなります。
核家族が基本構成となっている現代の日本において、高齢者が安心して自由に、しかも健康的に過ごせるような、本当の意味でのホスピタリティあふれる集合住宅はありうるのか。 このことがこれからの時代において、本物の理想郷を求めたチャレンジングなテーマとなっています。
そのテーマに則っての構想が、練りに練られたのち、こうして提案されているのが、個別化医療保養施設アスクレピオンであります。この施設の新しい試みは多数ありますが、大きな特徴の一つが、平屋の戸建て形式をとっていることです。そして各戸の前には菜園花壇が備えられた庭が配置されています。
もう一つ大きな特徴としては、厳選された良質な健康食品が多彩な形で入居者に提供されることです。
これは、通常の医薬品とは異なりますから、入居者が医者の指示によらず自分の意思で、自由に摂取することができるものです。
つまり能動的に自らの健康づくりに関わることができます。もちろん、医師や看護師などの専門家が常時待機する診療所も併設されるため、通常の老人ホームより格段上のレベルの安心感が得られます。
さらにもう一つの特徴としては、広大な敷地の利点を生かして、美しい池のある遊園地や、体育館など、レクリエーションのための設備も充実させ、さらに天然温泉成分などさまざまな薬効を楽しめる共同大浴場を備える方針がとられていることです。
これらすべての設備を網羅して、飽くなき理想郷への追求を進めようというのが、個別化医療振興財団が運営するアスクレピオンの立ち位置であると、私は理解しております。
日本だけでなく、世界中からも目標とされるような新しい概念をまとった保養施設「アスクレピオン」が、世界に先駆けてのモデルケースとして大発展されることを、医師の立場からも大いに期待するところです。
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